弁護士とはどんな仕事?
弁護士はいつの時代でも人気の職業です。世の中では多くの事件やトラブルが発生していますが、それらの場合において弁護士は被告人(犯罪などの嫌疑で検察官に公訴を提起された人)の代わりに主張をしたり、被告人を弁護したりする仕事です。
弁護士は人気があると同時に、なるのがとても難しい職業です。多くの人が法科大学院(ロースクール)を卒業してから司法試験を受け、合格後は司法研修所での司法修習期間を経て、その後再び最終試験に合格してから晴れて一人前の弁護士になれます。弁護士資格を取得するための試験である司法試験は、最難関の試験の一つと知られています。
法務省が発表した2017年司法試験の合格者は昨年を40人下回った1543人で、合格率は25.9%という結果になりました。司法試験の合格者人数は4年連続で2000人を下回っており、難関として知られる有名大学の法科大学院からの合格率も平均でわずか22.51%という結果に終わっています。
これからもわかるように、司法試験への合格はかなりの勉強量が必要となる厳しい道のりです。弁護士は人の一生を大きく左右する裁判に携わるという事実を踏まえても、これは当然のことでしょう。刑事事件の場合は特に、裁判での間違いなどは決してあってはなりません。そのため実際弁護士として仕事をするには、一般の常識や幅広い知識の他に、非常に多くの法律に関する知識が必用です。
法律を単に丸暗記するだけでなく、それらを正しく使いこなすことが弁護士には求められます。一つ一つの法律を正しく理解し、実際の事件にそれらを当てはめて法的な手段に乗っ取って問題を解決するのです。数多くの法律の中からどの条文を当てはめるのか、また皆が納得する公平な解決策を導き出すにはどうしたらいいのかなど、深い知識と経験が求められます。
ご存じの通り裁判において弁護士は欠かすことのできない存在です。弁護士の仕事について少し詳しく見ていきましょう。まず、弁護士が取り扱う事件には大きく分けて民事事件と刑事事件の二つがあります。
民事事件って何?
民事事件をざっくり説明すると、毎日の生活の中で人間同士の関わり合いによって起こる、一般的なトラブルのことを言います。
例としては、貸したお金を返してもらえないなどの金銭にまつわるトラブル、リストラなどの職場がらみのトラブル、不動産や住宅に関するもの、医療ミスや交通事故の処理まで幅広い事件がこれに当てはまります。またその中でも、離婚問題の慰謝料や相続などの家族間のトラブルは家事事件とも呼ばれます。
弁護士はこのような民事事件に対して、法律の知識を生かして相談に乗ったり、解決策を提案したり、双方が納得のいくように交渉を率先して進めていきます。比較的小さなトラブルから大きな問題まで民事事件の種類は色々ですが、法律の知識が乏しい当事者同士だけでは解決が難しいトラブルがたくさんあります。
そのため弁護士が間に入って法的なアドバイスをするだけで、トラブル解決までの道のりがうんとスムーズになるのです。話し合いによって解決されるトラブルも多くありますが、当事者双方が合意に至らないケースももちろんあります。その場合は、相手に対しての正当な権利があると主張する側が原告となり、相手方である被告に対して裁判を起こします。
民事事件における裁判は、原告と被告の双方が主張を戦わせます。そして、自分が有利になる事実は自らそれを証明しなければならない決まりがあります。裁判所から求められる証明の度合いは、刑事裁判における証明より低いものでよいことになっています。証明の目的はあくまでも、自分の主張が正しいことを裁判官に納得させることです。
民事事件はあくまでも私人同士のトラブルなので、裁判を起こした後で双方が和解した場合は、裁判官の判断なしにいつでも事件を解決することができます。実際、裁判所も民事事件を扱う際は双方に和解を勧めます。民事事件は、当事者双方の合意によって解決されることがベストだからです。
刑事事件って何?
民事事件と比べ、刑事事件において弁護士の背負う役割は非常に大きなものとなります。刑事事件は、殺人、傷害、窃盗、痴漢などの犯罪を指します。
民事事件が当事者双方の合意によって解決が可能であるのに対し、被害者と加害者の間で和解により刑事事件を解決することはできません。また、刑事事件には警察や検察といった捜査機関の介入が余儀なくされ、最終的に刑事裁判を起こすことができるのも検察官のみです。
日本の法律における原則として、被害者に代わってこれらの機関が加害者・被疑者の責任を追及して刑罰を下します。弁護士は、裁判の場においてそれらの犯罪行為をしたと疑われている被疑者・被告人の弁護活動をします。
刑事事件の裁判において、被疑者・被告人の有罪または無罪が決定されます。また有罪と判断された場合は、どの程度の刑罰が科されるかも決まります。ですので、刑事事件の裁判における弁護士の責任は非常に大きなものです。
問題視されるのが、稀にある無実の人間が処罰される冤罪です。このような有罪判決は人間の一生を大きく狂わせるものですので、絶対に防ぐ必要があります。そのため民事事件とは違い、十分な証拠が刑事事件の裁判の際には必要とされます。
疑いの余地がない程度まで有罪を証明できない限り、被疑者は無罪とされます。事件に正しく冷静な判断を下して冤罪の危険を避けるためにも、裁判での弁護士の存在は絶対不可欠です。