外資系企業での法務
弁護士の就職難やワークライフバランスの実現などの理由で、近年企業内弁護士(インハウスロイヤー)を志す方が増えています。その中でも外資系企業は、法律に関する資格や知識だけにとどまらず、英語やその他の外国語などのスキルを持っておられる方が活躍できる絶好の場所の一つです。
基本的に外資系企業の日本法人では、日本国内でのマーケットに対してビジネスを展開しています。そのため、本社のある国と日本での業務内容を法的な面からもスムーズに適合させていくために、外国語能力は必須なのです。
法律の知識と語学力を備え持っていることは就職や転職の際に大きな強みとなりますし、その両方を十分に生かせる環境で働かないともったいないですよね!英文契約書のレビューや作成、海外との交渉や対応などの語学を必要とする業務が随所に存在するため、外資系企業で働く際には高い語学力がもちろん必要です。
また海外からの国内法令についての問い合わせ等の法律が絡んでくる場面も多くあることや、レポートラインが外国籍である場合もあることから、日常会話の域にとどまらずに法のプロフェッショナルとしての専門知識を備えた英語力が必要となるのです。そのため、英語力と共に法律に関する知識を持った弁護士などの人材は外資系企業への就職においてかなり優遇されるのです。
国際法務
弁護士になると、国際法務の分野で活躍することも可能です。大手のメーカーや海外展開をしている日系企業のインハウスロイヤーとして就職すれば、国際法務に携わる貴重な経験が積めます。これは、日本だけでなく世界に向けた幅広い法務経験やスキルを取得したいと考えておられる方にぴったりです。
業務の内容としては、国際取引に関する法的な助言、契約の交渉、契約書のレビューや作成などと総合的で幅広いものになります。もちろん海外とのやりとりが多く発生することから、国際法務に携わる際には高い英語力が必須です。
敷居の高さを感じる方もおられるかもしれませんが、大手の商社やメーカー等、業種を問わず多くの日本企業は現在積極的に海外展開をしていますし、これらの業務を担当するインハウスロイヤーの需要は多くあるのです。
実際今日において、海外との取引を一切していない企業の方が珍しいのではないでしょうか。企業が海外に進出していくに伴って、法的紛争やリーガルリスクは着実に高度化・複雑化してきています。そのため語学力と共に、海外での法律知識も備えている弁護士のニーズはかなり高いものとなっています。
現実として、海外展開をしている日系企業は、海外弁護士資格をお持ちの方や海外でロースクールを卒業された方を積極的に採用しています。これらの業務に従事することで新しく得られる知識やスキルも多くあるでしょう。
日本企業のグローバル展開の強化に伴って、大手企業で国際法務に関する高度な法的知見や幅広い経験を積むことは、今後のキャリアアップを考える際にも大変有利になります。日本での弁護士資格だけでなく海外弁護士資格も持っている方にとって、国際法務にて働くのは絶好の機会だといえるでしょう。
知財や特許にまつわる法務
インハウスロイヤーとして知財・特許の業務に携わることで、技術と経営とつなぐブリッジとなることができます。知財や特許の分野で働く弁護士は、文系と理系、両方の知識が求められています。主に文系業務は、商標、著作権、知財契約などになり、理系業務では特許関連事実などを取り扱います。
大手企業やメーカーの知財部門では自社の技術をきちんと理解できるし人材を求めていますので、理系のバックグラウンドは特に役に立つでしょう。そのため、特許ライセンスプログラムに関する企画立案から交渉、ライセンス契約書の作成、審査や特許関連の訴訟業務など、活躍の場はさらに広がります。理系でありながらも弁護士資格や法的な知識を持っている方にとって、企業の知財・特許部門はまさにおすすめの就職先といえるでしょう。もちろん、理系よりも市場が狭くなってしまうにしろ、文系のバックグラウンドの方でも知財業界で活躍できるチャンスはあります。知財・特許は専門性の高い分野になりますので、これらの業務に携わり知識やスキルを増やしていく事は将来的にも大きな強みとなるでしょう。
このように、企業内弁護士を採用している企業は数多くありますし、その業務内容や可能性も様々です。また一般の社員に比べ、インハウスロイヤーの給料面などでの待遇はかなり良い場合が多いです。弁護士資格の他にも何か別のスキルをお持ちの方は特に、それら両方の才能を生かしてビジネスフィールドで活躍できるチャンスは至る所に転がっているのです。
総務法務
インハウスロイヤーとして活躍する方法は他にもまだあります。株主総会の運営や株式の事務作業、上場準備企業における商事法務などを行う総務法務です。一言で説明すると総務法務とは、組織運営の中心部分をサポートする役割です。各企業ごとに異なりますが、一般的に中規模以下の企業では会社法関連業務を総務部門と兼務することが多いです。その場合には法務業務の他にも、ファシリティ業務やISO認証業務等などの基本的な総務業務にも従事する可能性があります。そのためこれらの業務に携わるには、企業全体の状況を把握しながら組織のバランスを取って的確な判断をしていくことが求められます。