自己破産における相談と弁護士事務所
弁護士事務所には様々な相談が日々持ち掛けられます。お金にまつわるトラブルは多くありますが、その中でも特に多いのが自己破産、任意整理、個人再生、特定調停などの問題です。
一般的に、事態の深刻さが比較的浅い方から順に「任意整理」、「特定調停」、「個人再生」となり、困窮度が一番高い場合に「自己破産」となります。日本の景気は徐々に回復してきているとはいえ、商売が失敗してやむなく自己破産をせざるを得ないという方は今でも多くいますし、また支払いが求められている金額を現在の収入からでは捻出できないという方もたくさんいるのです。そのため、自己破産をはじめとする金銭問題を専門に扱う弁護士は全国に数多くいます。
自己破産って何?
自己破産とは、借金整理の手続きの中でも最終的な手段となります。自己破産手続きを取ることで、債務の支払い能力がないことを正式に認めてもらうのです。言い換えれば、自己破産をすることで現在の借金が全て帳消しになるのです。
自己破産の手続きは裁判所を通して行われます。プロセスとして、支払不能の状況にある人が破産宣告を受けて破産者となり、地方裁判所に自己破産の申し立てをします。その後、裁判所の判断で申し立てが受け入れられたら、破産管財人と呼ばれる弁護士がその人の現在持っている全資産を集めて現金化し、それを債権者に支払います。その後の手続きで免責を受け、破産法に基づいて残りの借金は免除されます。
原則的に自己破産の対象になるのは、正式に裁判所から支払い不能であると認められた、過去7年以内に免責を受けたことがない方のみとなります。一般的には、現在ある借金の総額を36か月で割った金額が毎月の返済可能額を上回っている状態で「支払不能」の判断が下されます。任意整理・特定調停・個人再生において借金が帳消しになることはなく、これが許されているのは自己破産のみです。
そのため自己破産後に得た収入は全て自分の生活に充てることが出来ます。また、裁判所で定められた基準を超えない程度の財産(20万円以下の預貯金を含む)は手元に残すことが可能です。しかし、法律で定められている「差押え禁止財産」以外の財産(現在所持している家や車なども含む)を失うことになります。そのため、借金の額が膨れ上がり、長期的な目で見てもどうしても返済不可な場合に唯一の解決策として行われるのが自己破産です。
注意しておきたいのは、自己破産の申立てが必ずしも受け入れられるわけではないという点です。例として、浪費やギャンブルが原因での大きな借金などのケースは基本的には破産法で免責が認められていません。また、財産の隠蔽などが発覚しても免責不許可となる場合があります。しかしこれらの免責不許可事項があっても、その程度に応じて免責が認められるケースも数多くあります。最終的な判断を下すのは裁判官なのです。ごく稀なケースですが、免責が認められない場合には任意整理などの方法に頼るといいでしょう。
自己破産になってしまったら?
自己破産が成立することで今までの借金がゼロになり、新しく生活を始めることが可能になります。また、基本的には家族に迷惑が掛かることはありません。しかしもちろん、数々のデメリットも生じてきます。
まず自己破産の後7年から10年間はクレジットカードの使用が禁止され、当人はローンを組むこともできなくなります。また、国が発行する機関紙「官報」に住所氏名が掲載されます。その他にも、高価な財産が処分されてしまうことも大きなデメリットの一つです。法律により、家具等の日々の生活に欠くことができないと考えられている「差押さえ禁止財産」以外のものは全て処分の対象となります。
これらのデメリットだけでなく、自己破産という道に逃げることで、同じ過ちをまた繰り返してしまう危険性もあります。そのため自己破産は、他に返済方法がどうしてもない場合の最終的な手段として用いるようにしましょう。自己破産に至るまでに、解決の方法は他にもあります。比較的借金の総額が少ない場合に話し合いによって借金整理をする「任意整理」、一定額の返済が可能な場合に双方の話し合いで合意に至る「特定調停」、借金総額が5000万円以下で返済の目処が立つ場合の「個人再生」などです。個人再生の手続きとしては、まず再生計画案を提出し、認可されたらその計画案に従って借金を返済します。その残りの債務は免除されますが、自己破産とは違って個人再生の場合には家などの財産が没収されることもありません。
任意整理・特定調停・個人再生いずれの手続きも、全く借金返済の目処が立たない場合、または借金が一定額を上回る場合には機能しません。しかしデメリットのことも考慮して、少しでも自己破産にまで陥るのを防ぐ方法があるのならそれに越したことはありません。迷いがあるのなら、専門の弁護士にできるだけ早く相談するべきです。